水害対策

気候変動の影響により、近年ますます増えている台風や豪雨による水害被害。

 

建築業界誌「ハウジング・トリビューン」vol.667に、興味深い試算が掲載されていました。

日本各地で頻発する浸水被害に対し、3種の対策法での費用対効果を検証しているものです。(国研)建築研究所23年1月、建築研究報告№153。

木造戸建て住宅の新築については、

・浸水後の修復を円滑・低廉化する「修復容易化案」

・腰窓下の高さまで洪水を防止する対策を施した「建物防水化案」

・1階床高を高基礎で上げる「高床式化案」

3つの浸水対策の案を用意し、そのうえで、実際に水害に遭った戸建て住宅の修復を行った経験のある住宅会社へのヒアリングなどから、それぞれの案ごとに掛かる浸水対策の工事費用と、浸水後に修復を行うことで掛かる工事費用を試算した。

「修復容易化案」では浸水対策の工事費用は約50万円掛かるが、対策工事により浸水レベル2で修復費用を約90万円低減できる効果が期待できると試算。「建物防水化案」では対策工事に約610万円掛かるが修復費用は約566万円低減、「高床式案」では対策工事に約228万円かかるが修復費用は約589万円低減できると試算した。

(ハウジング・トリビューン掲載文より抜粋)

 

今までは住宅の災害対策と言えば、地震や火事に対しての対策が主でしたが、近年は国や行政だけでなく、ハウスメーカーも相次いで水害対策を強化しています。

様々な建築資材が値上がりし建築費が上昇するなか、更に水害対策に予算をかけることはなかなか難しいかもしれません。

しかし、温暖化の影響により台風や集中豪雨は今後確実に増えていくと思います。

 

8月20日 秋田NHKS WEB

https://www3.nhk.or.jp/lnews/akita/20230820/6010018741.html

 

 

一度水分や汚れを吸った断熱材を完全に乾かすことは難しく、水分を残したまま壁に戻すと壁の中で結露を起こし、カビが発生する危険があります。水分、結露、カビは木造住宅における大敵であり、構造(木部)の劣化を早めることになり、結果的に住宅の性能を損ねる結果にもつながります。

 

|ブローイング断熱工法だからできること

浸水被害にあったときにセルロースファイバーは濡れた部分を取り除き、不足分を拭きなおして、取り換えが可能です。作業日数も短く、費用も抑えることができます。

 

浸水部の確認

 

 

濡れた部分だけ取り除く

 

断熱材の修復完了

 

完璧な対策は難しくとも、万が一に備えて修復が容易な造りにしておくことは、今後大切な考え方かもしれません。