断熱の夜明け「ブローイング断熱技術を求めて北海道へ」
極寒の地、北海道では隙間のある住宅断熱は即結露→クレームにつながります。
その北海道で40年以上グラスウールブローイングの施工実績を重ねてきた断熱工事のパイオニア「(株)ダンネツ」様を訪ねてきました。
ダンネツ社のご紹介
(株)ダンネツは断熱工事及び断熱建材の製造を行う総合断熱会社。
グラスウールやロックウール、セルロースファイバーのブローイングに始まり、既存住宅向けの外断熱改修工事や、大型施設、公共建築物の断熱施工を行うとてつもないノウハウの塊ともいえる存在です。
問題点・気づき
当社がセルロースファイバーブローイングを始めてから8年。
様々な住宅工事の現場を見てきて気づいたこと。
●品質や生産性の追求
断熱性能の向上は必須になってきたが、職人不足や高齢化は進み続けている。
現場の大工さんが施工し続けるには限界があるが、施工品質や生産性も追求しなければならない。
成型品の断熱材は材料の積算や在庫の管理、廃材、ゴミの問題など目に見えないコストがかかっている。
●安全性や健康への配慮
暑い、寒いを軽減する新築住宅は当たり前となり、防露性、調湿性、防音性なども必要に。
また断熱性能が長期持続することが求められている。
●北国由来の高気密高断熱がそぐわない可能性も
冬の寒さ対策は必須だが、関東以西の地域では夏場の高温多湿をいかに対策するか?
夏型結露のリスクを回避するか?も検討しなければならない。
ダンネツ社にて
ダンネツ社の特注機械を導入するにあたり技術指導を受け、施工現場の木造アパートの見学もしてきました。
断熱性のしっかりした賃貸住宅は光熱費のメリットが大きいため入居率が高いそうで、防音を兼ねて1階と2階の階間にも吹き込みを行っていました。
印象的だったのは「性能値は大切だけど、隙間を作らないことのほうがもっと大切!」の一言です。
北海道に暮らすうえで「断熱」は家族を守り、建物を長持ちさせるための必須項目だと感じました。
建築探訪
●アントニン・レーモンド設計の聖ミカエル教会へ寄り道をしてきました。
大きな丸太を半分に割り、トラス構造で大空間を造る。圧倒的な存在感で、とても優しく美しい建物でした。
●旭川市は家具の街
家具工房が多く存在し、建築と家具の距離感が近い都市だと感じました。
家具の手触りや素材感は建築に活かすヒントにもなります。